検索エンジンの歴史

1 検索エンジンの歴史 (副題 2種類の検索エンジン)

検索エンジンは、大きく2種類に分類できます。インターネット創世記から黎明期を支えた、ディレクトリ型検索エンジン(初期のヤフーなど)と、1998年以降、急速にシェアを拡大した、ロボット型検索エンジン(グーグル、現在のヤフーなど)です。

検索エンジンは、初期段階では、人が、カテゴリーごとに手でサイトのURL(インターネットアドレス)とタイトルと、簡単な説明を入力し、登録していました。これがディレクトリ型検索エンジン(初期のヤフーなど)です。

 

1.1 ディレクトリ型検索エンジン ヤフー

もっとも有名なディレクトリ型検索エンジンは初期のヤフーです。ヤフーは1994年、スタンフォード大学のジェリー・ヤンとデビッド・ファイロによって始まったサービスです。

ヤフーは元々、ジェリー・ヤンとデビッド・ファイロがスタンフォード大学の学生だったころ、気に入ったページがあると、自分のホームページにきちんと分類して登録していた、「Jerry’s Guide to the World Wide Web(ジェリーのワールドワイドウェブガイド)」というサイトが始まりです。登録された情報は、検索することができ、とても便利なため、インターネット上で利用者が増え始めました。

ジェリー・ヤンとデビッド・ファイロは1995年、法人化し、サービス名をヤフーにします。

日本では、ソフトバンクが、1995年、ヤフー株の一部を買い取り、日本での独占運用権を得て、サービスを開始します。

 

1.2 ロボット型検索エンジン グーグル

もっとも有名なロボット型検索エンジンがグーグルです。グーグルは1996年、スタンフォード大学に在学中の、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンにより、グーグルの原型が開発されます。1998年、法人化し、サービス名をグーグルとします。

グーグルをはじめとするロボット型検索エンジンは、クローラーと呼ばれる、自動情報収集プログラムが、世界中のウェブサイトを周回し、その情報を収集します。収集した情報は、ロボット型検索エンジン個々の独自の評価システムにより評価され、データとして保存されます。そのデータを、ロボット型検索エンジンでは高速に検索することができます。

ディレクトリ型検索エンジンの多くが、WEBサイトの情報を、人が分類し、登録していたのに対し、ロボット型検索エンジンは、クローラーというプログラムが自動的に情報を収集し、登録し、評価し、順位付けする、人を介さない、シームレスなシステムです。

また、ディレクトリ型検索エンジンは、「人の数 = 登録できる情報の最大値」であるのに対し、ロボット型検索エンジンは、「コンピュータの処理能力 = 登録できる情報の最大値」になるので、コンピュータの処理能力を上げれば、無制限に情報を収集・登録・検索できることになります。